旅券と査証の基本知識 | 外国人の日本入国に必要な書類と手続きを行政書士が解説
はじめに
日本に入国しようとする外国人にとって、旅券(パスポート)と査証(ビザ)は非常に重要な書類です。本記事では、これらの書類の基本的な知識と手続きについて、ビザ専門行政書士の視点から解説します。
旅券(パスポート)について
旅券は、外国人が日本に入国する際に必要な身分証明書となります。
入管法第3条では、日本に入国しようとする外国人は有効な旅券を所持していなければならないと定めています。
また入管法2条5号に旅券の定義の記載があります。
五 旅券 次に掲げる文書をいう。
イ 日本国政府、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した旅券又は難民旅行証明書その他当該旅券に代わる証明書(日本国領事官等の発行した渡航証明書を含む。)
ロ 政令で定める地域の権限のある機関の発行したイに掲げる文書に相当する文書
入管法2条5号
また、入管法第61条の2の15に基づき、日本で難民として認定された者に対して、法務大臣が発行する難民旅行証明書も有効な旅券として扱われることになります。
旅券の有効性については下記をチェックされることになります。
- 有効期間内であること
- 偽造・変造されていないこと
- 正当な権限を有する機関が発行したものであること
査証(ビザ)について
査証(ビザ)は、日本の在外公館の領事が、日本に渡航しようとする外国人の旅券や渡航目的などを事前に審査し、日本上陸に問題がないと確認した旨を旅券に記載するものです。入管法第6条第1項では、有効な旅券と有効な査証の所持を上陸許可の条件としています。
以前は査証印が使用されていましたが、現在は査証シールが貼付されることになります。
査証には、渡航目的に応じて下記の8種類があります。
- 外交
- 公用
- 就業
- 一般
- 短期滞在
- 通過
- 特定
- 医療滞在
これらの査証には、それぞれの渡航目的に応じた有効期間や使用回数(1回限り、2回限り、数次(有効期間内に何度も使用可能)が記載されます。
査証の取得手続きは下記のフローとなります。
- 申請場所:日本国外の日本大使館または総領事館に申請します。
- 必要書類の提出:申請書、写真、旅券などの必要書類を提出します。
- 審査と発給:提出された書類を基に審査が行われ、査証が発給されます。
査証免除制度
すべての外国人に査証が必要というわけではありません。日本政府は、一定の条件下で査証免除措置を行っています。
これは相手国との二国間取決めや日本政府の一方的措置によるものです。
査証免除の主な形態には下記があります。
- 一般旅券所持者の短期滞在に対する査証免除:観光や商用目的で短期間滞在する場合に適用されます。
最新の情報はこちらをご参照ください。 - 外交・公用旅券所持者に対する査証免除:外交・公用旅券を持つ者が対象です。
最新の情報はこちらをご参照ください。
例えば、アメリカ合衆国の国民であれば、観光や商用目的で90日以内の短期滞在の場合、査証なしで日本に入国できます。
まとめ
旅券と査証は、外国人の日本入国において重要な役割を果たしており、国際的な人の移動を円滑にしつつ、国の安全と秩序を維持するために設けられています。
外国人の方々には、日本への渡航を計画する際に、自身の国籍や渡航目的に応じた適切な旅券・査証の準備をお勧めします。
また、査証免除措置の適用有無や最新の入国規制情報についても、事前に確認することが重要です。
私たち行政書士は、これらの手続きに関する相談や支援を行っています。
本記事では旅券と査証について解説させていただきました。お読みいただきありがとうございました。
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行政書士 中木将弘
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